2004〜2007 / 2013〜2015 | 二度の黄金期と、アブラモビッチとの確執

モウリーニョのチェルシー時代——プレミアリーグを支配した「特別な男」

2026年5月約9分
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Hara Tech 編集部

欧州サッカー専門メディア「ultrasrei.com」編集部。プレミアリーグ・ラ・リーガ・セリエAを中心に、戦術・歴史・選手考察を発信。

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「スペシャル・ワン」という言葉が生まれたのは2004年のチェルシー監督就任会見だった。以来10年以上、モウリーニョはチェルシーと愛憎半ばする関係を続けた。プレミアリーグ3度制覇の輝きと、シーズン途中解任という屈辱——チェルシーはモウリーニョにとって最も特別なクラブであり、最も複雑な記憶でもある。

2004年——「スペシャル・ワン」の誕生

2004年6月、ロシア人富豪ロマン・アブラモビッチがオーナーを務めるチェルシーに、FCポルトでCLを制覇したばかりのジョゼ・モウリーニョが就任した。就任会見でのひと言——「私はスペシャル・ワンだと思う」——は、プレミアリーグの歴史で最も有名なひと言として今も語り継がれる。

傲慢と取られかねない発言だったが、モウリーニョにはそれを裏付ける実績があった。FCポルトでUEFAカップ(2003年)とCL(2004年)を連続制覇し、「格下でも勝てる」ことを証明した指揮官は、潤沢な資金を持つチェルシーで何ができるか——世界中が注目した。

就任1〜2年目——50年ぶりのリーグ制覇

加入初年度の2004-05シーズン、チェルシーはプレミアリーグを制覇した。50年ぶりのリーグタイトルだった。翌2005-06シーズンも連覇を達成し、モウリーニョは「プレミアリーグ2連覇」という偉業を成し遂げた。この間のチェルシーの守備の堅さは圧倒的で、ピーター・チェフ(GK)、ジョン・テリー(CB)、リカルド・カルバーリョ(CB)というバックラインはプレミア史上最強の一つと称された。

モウリーニョのチェルシーは美しいサッカーより「勝利のためのサッカー」を追求した。ディドロの役割、ランパードのゴール量産、ドログバの身体能力——すべてが「結果」に向いた組み合わせだった。「美しくなくていい。勝てばいい」というモウリーニョ哲学の最初の完成形がチェルシーだった。

アブラモビッチとの確執——2007年の電撃解任

しかし3年目の2006-07シーズン、モウリーニョとアブラモビッチの関係に亀裂が入り始めた。CLでのセミファイナル敗退、選手起用をめぐるオーナーとの意見対立——「アブラモビッチは試合に口出しする」というモウリーニョの不満が表面化し、2007年9月に「合意による退任」という形でチェルシーを去った。

3年で2度のリーグタイトル、FAカップ、リーグカップ——これだけの実績を残しながら解任されたモウリーニョは「アブラモビッチとは友人でいられなかった」と後に語った。金と権力が介入するとき、どんな成功もオーナーの気分一つで終わる——現代サッカーの残酷な真実をチェルシーは示した。

2013年の復帰と、2015年の再解任

2013年にチェルシーへ復帰したモウリーニョは、2014-15シーズンにリーグ3度目の優勝を達成した。ジョン・テリー、セスク・ファブレガス、ディエゴ・コスタ——新旧の選手を組み合わせ、圧倒的な強さでプレミアを制した。しかし翌シーズン、チームは失速した。特に開幕戦でGKエヴァ・カルネイロとの確執が表面化し、チームの雰囲気は急悪化。わずか16試合でシーズン途中に解任された。

「チェルシーはモウリーニョの家だ」——就任会見での言葉は本心だったはずだ。だからこそ、2度の解任はモウリーニョのサッカー人生で最も複雑な経験として残っている。愛と怒りと誇りが入り混じったチェルシーとの関係は、サッカーという舞台の人間ドラマとして永遠に語り継がれる。

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